LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)の中の、トランスジェンダーの部分に位置する「Xジェンダー」という性自認を知っていますか?
Xジェンダーの人は、当事者でも気が付きにくく長年、自分の性に対して違和感を持ち続けている人が多いです。
自分の性に対して、男性なのか女性なのか?と考えた時に、どちらも違和感がある人は、もしかするとXジェンダーの可能性があります。
この記事では、Xジェンダーとは何かの説明と、Xジェンダーの種類を紹介しています。
トランスジェンダーの中のXジェンダーとは?
Xジェンダーは、「LGBT」でいうところの「T」の部分。トランスジェンダーの括りの中に位置します。
トランスジェンダーには複数種類があります。
①FtM:体は女性として生まれたけれど、心は男性
②MtF:体は男性として生まれたけれど、心は女性
③性同一性障害の人
④MtX・FtX(Xジェンダー):体は男性や女性で生まれたけれど、心は男性でも女性でもない。または男性でも女性でもある
XジェンダーのXという記号は、数学などで習った代入の記号を意味しているらしく、「何にでも当てはまる」という事だそうです。
ただ、そもそも何にでもあてはまる、あるいは当てはまらないので特定の記号で表す表現方法が適切なのか?という意見もあるようです。
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Xジェンダーの中には5つの種類がある
Xジェンダーの種類1.無性
Xジェンダーの人の中には、「自分は男でも女でもない。性別を持っていない」という人がいます。
この人たちの事を「Xジェンダーの無性タイプ」と表現したりすることがあります。
Xジェンダーの種類2.中性
Xジェンダーの人で、自分の性を「自分は男性でもあるし、女性でもある」と認識している人もいます。
人によって男性である認識の割合と、女性である認識の割合は半々だったり、どちらかに寄っていたりする人もいます。
男性でもあり、女性でもある。
そういう人たちのことを「Xジェンダーの中性タイプ」と表現したりします。
Xジェンダーの種類3.両性
「Xジェンダーの両性タイプ」の人は、自分の性認識を「男性でもあり女性でもある」としています。
中性タイプと何が違うの?というところですが、中性タイプは自分の中に男性と女性が割合を持って存在しているのに対し、両性タイプは男女どちらも独立して100%存在していると認識しています。
Xジェンダーの種類4.不定性
Xジェンダーの種類の4つ目「不定性」タイプの人は、性自認としては女性も男性も自分の中にあると感じています。
しかし、女性の場合と男性の場合があり、その時々で性自認が変化し揺れ動く人の事をXジェンダーの不定性タイプと表現することがあります。
Xジェンダーの種類5.その他
Xジェンダーの種類において、どれも当てはまらない人はその他のタイプです。
性別が無いのではなく、そもそも性別という概念を持ち合わせていない人のこと。
性自認という言葉に違和感を抱きます。
Xジェンダー、一人称に困る
Xジェンダーさんの中で、「一人称に困る」という人が多いようです。
特に、不定性タイプのXジェンダーさんはさっきまで自分の事を「俺」と言っていたのに、途中から「私」になっていたりすることも。
そうなると、カミングアウトしていない人たちに結構突っ込まれるので一人称を「自分」と言ったり、どちらでもOKな言い回しをしたりしている人も居るようです。
Xジェンダーはまだまだ周囲に理解されない事が多いのが現状
親しい友人や家族にカミングアウトしても、Xジェンダーはまだ世間には浸透していないようで「何だそれは?」「は?」「そんなわけないじゃん」などと冷たい言葉をかけられる人も多いようです。
中には、恋人に打ち明けたら別れを告げられてしまった、という人も。
ゲイやレズビアンの人は体の性別と心の性別が一致した上で同性が好き、という点では一般の人にもわかりやすく、比較的受け入れられる人も増えてきているようです。
しかし、トランスジェンダーとなると、体と心の性別が違うため、一般の人が外からみた時にわかりにくいのかもしれません。また、性自認が揺らいだ事の無い人からすると、Xジェンダーの人の感覚を考えるは難しいのかもしれません。