レズビアンであることを母親にカミングアウトするべきか、言わざるべきか。
一度でも同性を本気で愛したことのある人なら迷ったことがあると思います。
実際、私自身も母親にカミングアウトするか迷いましたが、気難しい人なので結局言わないまま「友人とルームシェアをしている」と言って彼女と同棲しています。
レズビアンであることを母親にカミングアウトした場合、どんな反応をされるのか怖くてたまらないですよね。
かと言って、言わないままだと偽りの自分を見せているようで。
この記事では、母親にカミングアウトしたレズビアンの友人に聞いた話を紹介します。
カミングアウトをするか、しないか。
悩んでいる女性たちの参考になれば幸いです。
レズビアンであることを母親にカミングアウトした友人S
Sには、学生時代に仲のよかった同性の友人がいました。
どこへ行くにも、何をするにも、いつもふたり。
周囲からは「仲良いね」なんて言われていましたが、だんだんお互いの関係が一般の友人同士よりも重いことに気がつきました。
Sは、友人に彼氏ができてしまったらと想像するだけで胸が締め付けられるような思いになり、もしかしてこれは恋愛感情なのでは?と同性愛を自覚するようになったのです。
その友人とは何もなく、進学の際に進路が別々になり、離ればなれになりました。
しかし、その後も男性を恋愛対象として見れない事に気づき、大学2年の頃にレズビアンの掲示板で知り合った女性と付き合う事に。
付き合って3年後、彼女と同棲の話がでたSは母親には言っておくべきかな?と思ったのです。
なぜなら、社会人になり帰省するたびに母親が「彼氏はできた?」「結婚する予定があるなら早めに言って欲しい」「孫の顔が見たい」と言うようになったからです。
彼女もいるし、これからも男性と付き合うことはないと確信しているのに余計な期待を持たせたままでは申し訳ない気持ちと、嘘を吐き続ける罪悪感がありました。
実家に帰るタイミングでカミングアウトを決意したSは、母親に自分がレズビアンであることを話しました。
結果としては、「思い違いじゃないのか」「何を考えているんだ」と否定されました。
どれだけ説明をしても「でも」「それは違う」「おかしい」と言われ、受け入れられず悲しかった。
何よりも、初めて本音を語ったにも関わらず、人生の大半を共に過ごした人に理解してもらえなかったのが辛かった。
ひとまず「こんな娘でごめんね」と謝り、逃げるように実家を出ました。
言うんじゃなかったと酷く後悔をして、1人で泣き崩れた夜。
この先、親とどう向き合えばいいのかわからずカミングアウトから2ヶ月が過ぎた頃、「話がしたい」と母親から連絡がありました。
再び実家に戻り、再度母親と話す事に。
すると母は「色々考えたけど、あなたがそれで幸せなら自由に生きなさい」と言ってくれました。
その後母は、「突然のことで動揺した」「そういう人が居るのは知ってたけど、まさかあなたがそうだとは思わなかった」ということを話してくれ、「結局は自分の娘が幸せならそれが一番だと思った」と伝えてくれました。
一度は後悔して絶望を感じましたが、今となっては大切な人に本当の自分を受け入れて貰えて、カミングアウトしてよかったと思っているとSは言っていました。
今では彼女を母親に紹介し、2人で実家に行ったりしているようです。
母親はノンケかバイしかいない
LGBTとや同性愛という言葉がメディアでも放映されるほど浸透しているのに、なぜ母親はカミングアウトにそこまで動揺するのか?
母親は、父親という男性と結ばれてあなたという子を成した、レズビアンではない人種だからです。
バイセクシャルであればまだ受け入れられやすいかもしれませんが、そう居ません。
男性が女性の気持ちを知らないように、女性がXジェンダーの気持ちを知らないように、ノンケの母親はレズビアンのあなたのことを知らないのです。
一度話して「わかってくれなかった」のではなく、「今まで隠してきた」のはあなたなので「知らなくて当たり前」なのです。
突然カミングアウトされた母親には、レズビアンについて知る時間と受け入れられるかどうかを考える時間が必要なのだと思います。
今回の友人Sの話しでは、カミングアウト後に母親が歩み寄ってくれて「結局何が一番大切なのか」という答えを出してくれました。
しかし、全ての母親がそうとは限りません。
私の母親は昔から、LGBTの話がテレビで取り上げられると「こんな人もいるんだ、ありえない」「テレビに出ないでほしい」と言います。
私はカミングアウトはしていませんが、レズビアンをテレビで見るだけでそこまで言っている人の反応は想像がつきます。
娘がレズビアンだと知らないままの方がお互いに円満で、円滑に生きられるだろうと私は思うので、これからもカミングアウトをするつもりはありません。
カミングアウトをするのも、しないのもひとつの選択。
どちらが幸せかはあなたが決めていいと思います。